The previous night of the world revolution~F.D.~
ーーーーーー…ルレイアが『青薔薇連合会』に帰ってきて、一週間ほど経ったある日のこと。





その日の午後、俺はいつも通り、『青薔薇連合会』にある自分の執務室で書類仕事に打ち込んでいた。

すると。

「ルル公ー!なんか今日超さみーけど、元気か!?」
 
「本当。今日は寒いねぇ」

無駄にデカい声を上げながら、俺の執務室にアリューシャとアイズがやって来た。

…来やがったな。この野郎。

またしても…俺の仕事を邪魔しに。

ノックもしなければ、部屋主である俺に挨拶もなしに。

あたかも自分の部屋であるかのように、平然と入ってきやがった。

しかし、アイズとアリューシャはまだマシである。

何故なら、この二人はちゃんと、ドアから入ってくるから。

すると、そこに。

「全くだ。急激に寒くなったな。仮面をつけてなかったら俺も危ないところだった」

「ですよねー。僕も昨日、セカイさんがあんまり寒い寒いって言うから、こたつ出したんですよー」

出た。

何もない無の空間から、にゅっと生えるかのように。

何処かに潜んでいたルリシヤとルーチェスが登場。

お前らは何なんだ。二人揃ってワープの魔法でも使えるのか?

あまりにも唐突に現れるものだから、ちょっとビクッとした。

以前は、この二人とルレイアがいきなり現れる度に、驚いて悲鳴を上げたものだが。

最近、もうあんまり驚かなくなってきた。

慣れって怖いな。…こんなことに慣れたくはなかったけど。

「ん?どうしたルルシー先輩。顔色が悪いぞ」

「…お前らのせいだろ…」

「寒くなりましたもんね。体調管理に気をつけてくださいね、ルルシーさん」

「はいはい…。どうも…」

俺の体調を良好にしたいなら、勝手に俺の部屋に侵入するのをやめてくれ。

それが一番健康に良い。

更に、そこに。

「はぁ、さぶっ…」

「お、シュノ先輩も来たな」

「うん。任務が終わったから…ルレイアに会いに来たの」

貼らないカイロを手に、すりすりと両手を温めながら。

ゴスロリワンピースに身を包んだ、シュノが登場。

最近ルレイアが『青薔薇連合会』に帰ってきた為、シュノは毎日表情が明るい。

…で、それは良いんだけど。

何でルレイアに会いに、俺の部屋に来るんだ?

絶対間違ってるだろ。ルレイアに会いたいなら、ルレイアの部屋に行くのが当然というもの。

…それなのに。

「あれっ?ルレイアは?まだ来てないの?」

「大丈夫だシュノ先輩。ルレイア先輩ならきっともうすぐ…」
 
「お。噂をすれば、来たみたいですよ」

え?

ルレイアの気配をいち早く感知したルーチェスが、扉の方を指差すと。
 
その3秒後に、俺の執務室の扉がバーン、と開いた。

「こんにちはー!皆のアイドル、ルレイアがやって来ましたよー!」

…来やがったな。真打ちが。
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