The previous night of the world revolution~F.D.~
「そういう訳ですから、後のことはお任せください」

俺は、テーブルの上のジュエリーボックスを手に取った。

いやはや。小さな箱なのに、何だか核爆弾のスイッチでも手にしたような気分ですね。

「…ここで手を引く俺が、余計な口出しをするべきじゃないだろうが」

と、ジュリスさんが俺を見つめながら言った。

「はい。何ですか?」

「気をつけろよ。…宝石には魔物が宿ると言われてる。そのダイヤは…別格だ」

「…えぇ、分かってますよ」

このちっぽけなダイヤが、これから俺達の身に波乱を巻き起こすんでしょうね。

周囲を巻き込んで、大きく広がっていくことになる。

「ご忠告、感謝しますよ」

年上からの有り難いご忠告、肝に銘じますよ。




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