The previous night of the world revolution~F.D.~
「す、すげぇ…!3000億って…何千億だ…!?」
「…3000億に決まってるだろ。何言ってるんだ馬鹿アリューシャ」
まぁまぁ、ルルシー。
それに、言いたいことは分かりますよ。
金額があまりに大き過ぎて、イメージするのも難しいですよね。
でも、今目の前に、盗んできた3000億という現金がある。
そう思ったら、今がいかに危機的状況かというのが予想しやすいものと思う。
「そ、そんな金額の宝石を…!よくも、盗み出せたわね…」
「そうだな…。カミーリア家とて、強盗の対策くらいはしているはずだが…」
「仮に盗み出せたとしても、このからくり宝石箱を開けることは出来ないと高を括っているんでしょう」
シュノさん、ルリシヤ、ルーチェスの順で言った。
でしょうね。
宝物庫に忍び込むことが出来ても、この難攻不落の宝石箱を開けない限りは、ダイヤを取り出すことは出来ない。
その油断が、宝物庫の警備を疎かにしてしまったのだろう。
実際、こうしてジュエリーボックスを盗み出すことは出来ても。
箱を開けて、中身を取り出すことは出来てない訳ですから。
「『ブルーローズ・ユニオン』は、どうしてこんなものを盗み出したりしたの…?」
と、シュノさんは当然の疑問を口にした。
「こんなものを盗んだら、大変なことになるって分かってるはずでしょ…?」
…さぁ。分かっていたのかいないのか。
「カミーリア家に凄い宝石がある」くらいの認識で、軽い気持ちで強盗に入った恐れもある。
始末に負えない連中ですよ。本当に。
「『オプスキュリテ』に売り捌くことを依頼しているんだから、恐らくは金目的でしょう」
多額の上納金を用意して、セルテリシアに恩を売りたかったのか。
あるいは、他に欲しいものでもあったのか…。
いずれにしても、既に『オプスキュリテ』の手からは離れているので、全ては無駄です。
残念でしたね。
「この際、盗みの目的は何でも構わないわ。問題は、今ここに、この宝石があるということ」
と、アシュトーリアさん。
「な、な、何が問題なんだ?『部下が勝手に盗んできちゃいましたテヘペロ』って返せば良いんじゃね?」
いつになく険しい顔のアシュトーリアさんにビビりながら、アリューシャがそう言った。
…それで済んだら話は早かったんですけどねぇ。
「…アリューシャ。例えば、今日のおやつにアリューシャの為にチョコケーキを用意したとしよう」
アリューシャでも分かるように、いつもの例え話を持ち出すアイズ。
「え、マジ?やったー!」
例えば、の話ですけどね。
「凄く美味しいケーキだよ。世界に一つしかないって言われてる特別なチョコケーキなんだ」
「うぉぉぉ!すげぇ!食いてぇぇ!」
そんな凄いチョコケーキだったら、俺も食べてみたいですね。
何度も言うように、例え話なんですけど。
「それなのに、冷蔵庫に入れておやつの時間まで保管してる間に、『ブルーローズ・ユニオン』の構成員が、こっそり冷蔵庫を開けてアリューシャのケーキを持ってっちゃったんだ」
「ぬぉっ!?誰だそのくせ者は!アリューシャがぶち抜いてやる!」
「でもその人、ケーキボックスの開け方が分からなかったらしくて、返しに来て、『部下が勝手に盗んできちゃいましたテヘペロ』って言ったとしたら…」
「許す訳ねーだろ!詫びろ!土下座して謝れ!アリューシャが蜂の巣にしてやらぁ!」
「…つまり、そういうことだよ」
今回も、実に分かりやすい例え話をありがとうございました。
「…3000億に決まってるだろ。何言ってるんだ馬鹿アリューシャ」
まぁまぁ、ルルシー。
それに、言いたいことは分かりますよ。
金額があまりに大き過ぎて、イメージするのも難しいですよね。
でも、今目の前に、盗んできた3000億という現金がある。
そう思ったら、今がいかに危機的状況かというのが予想しやすいものと思う。
「そ、そんな金額の宝石を…!よくも、盗み出せたわね…」
「そうだな…。カミーリア家とて、強盗の対策くらいはしているはずだが…」
「仮に盗み出せたとしても、このからくり宝石箱を開けることは出来ないと高を括っているんでしょう」
シュノさん、ルリシヤ、ルーチェスの順で言った。
でしょうね。
宝物庫に忍び込むことが出来ても、この難攻不落の宝石箱を開けない限りは、ダイヤを取り出すことは出来ない。
その油断が、宝物庫の警備を疎かにしてしまったのだろう。
実際、こうしてジュエリーボックスを盗み出すことは出来ても。
箱を開けて、中身を取り出すことは出来てない訳ですから。
「『ブルーローズ・ユニオン』は、どうしてこんなものを盗み出したりしたの…?」
と、シュノさんは当然の疑問を口にした。
「こんなものを盗んだら、大変なことになるって分かってるはずでしょ…?」
…さぁ。分かっていたのかいないのか。
「カミーリア家に凄い宝石がある」くらいの認識で、軽い気持ちで強盗に入った恐れもある。
始末に負えない連中ですよ。本当に。
「『オプスキュリテ』に売り捌くことを依頼しているんだから、恐らくは金目的でしょう」
多額の上納金を用意して、セルテリシアに恩を売りたかったのか。
あるいは、他に欲しいものでもあったのか…。
いずれにしても、既に『オプスキュリテ』の手からは離れているので、全ては無駄です。
残念でしたね。
「この際、盗みの目的は何でも構わないわ。問題は、今ここに、この宝石があるということ」
と、アシュトーリアさん。
「な、な、何が問題なんだ?『部下が勝手に盗んできちゃいましたテヘペロ』って返せば良いんじゃね?」
いつになく険しい顔のアシュトーリアさんにビビりながら、アリューシャがそう言った。
…それで済んだら話は早かったんですけどねぇ。
「…アリューシャ。例えば、今日のおやつにアリューシャの為にチョコケーキを用意したとしよう」
アリューシャでも分かるように、いつもの例え話を持ち出すアイズ。
「え、マジ?やったー!」
例えば、の話ですけどね。
「凄く美味しいケーキだよ。世界に一つしかないって言われてる特別なチョコケーキなんだ」
「うぉぉぉ!すげぇ!食いてぇぇ!」
そんな凄いチョコケーキだったら、俺も食べてみたいですね。
何度も言うように、例え話なんですけど。
「それなのに、冷蔵庫に入れておやつの時間まで保管してる間に、『ブルーローズ・ユニオン』の構成員が、こっそり冷蔵庫を開けてアリューシャのケーキを持ってっちゃったんだ」
「ぬぉっ!?誰だそのくせ者は!アリューシャがぶち抜いてやる!」
「でもその人、ケーキボックスの開け方が分からなかったらしくて、返しに来て、『部下が勝手に盗んできちゃいましたテヘペロ』って言ったとしたら…」
「許す訳ねーだろ!詫びろ!土下座して謝れ!アリューシャが蜂の巣にしてやらぁ!」
「…つまり、そういうことだよ」
今回も、実に分かりやすい例え話をありがとうございました。