The previous night of the world revolution~F.D.~
…それに、こいつらさっきから偉そうなことを言ってるが。
「ルレイアが犯人だっていう、確固たる証拠はまだ掴んでないんだろ」
「っ、それは…」
アストラエアが眉をしかめた。
やっぱり。
そうだよな。もしルレイアが犯人だと確信しているなら、参考人として聴取するまでもない。
さっさと令状を出して、強制逮捕に乗り出すはずだ。
そうせずに、わざわざルレイアに話を聞くってことは…。こいつらも、まだ犯人がルレイアだという確証が持ててないのだ。
「人を疑うなら、それなりの証拠を揃えてからにしろよ」
「…分かっている。他の犯人がいる可能性も、今探っているところだ。今日はあくまで、参考人として話を聞きたかっただけなんだ」
だから堪えてくれ、と言わんばかりのルシェ。
「私自身も…ルレイアが犯人だなんて思えない。いや、思いたくない…。でも、帝国騎士団副団長として…これが、果たさなければならない務めなんだ」
「…あぁ、そうかよ。あんたが言うと説得力が違うな」
その務めとやらの為に、かつてルレイアを見捨てたあんたが。
だったら、好きなようにすれば良いさ。
真実は一つだけなのだから。
「ルレイアは絶対にやってない。他に犯人がいるんだ」
俺は、きっぱりとそう断言した。
「お前達にも帝国騎士として少しでも誇りがあるなら、目の玉をよく開いて真実を見定めるんだな」
「…分かってる。そのつもりだ」
その返事で分かった。
少なくとも、ルシェはルレイアの無実を確信しているようだった。
それでも俺に事情聴取を行ったのは、先程ルシェ本人が言った通り、それが自らの役目だから。
本当は、ルレイア以外に犯人がいることを分かっている。
そして、ルシェが気づいてるってことは…恐らく、ルシェ以上に鋭いオルタンス辺りも同様だろう。
この二人が真犯人を見つけ、ルレイアにかかっている嫌疑を晴らしてくれることを、願わずにはいられなかった。
しかし、この時点で…俺は胸騒ぎのような、言いようのない不安を感じていた。
俺達に向かって、目に見えない悪意の手が伸ばされているような…そんな不安を。
「ルレイアが犯人だっていう、確固たる証拠はまだ掴んでないんだろ」
「っ、それは…」
アストラエアが眉をしかめた。
やっぱり。
そうだよな。もしルレイアが犯人だと確信しているなら、参考人として聴取するまでもない。
さっさと令状を出して、強制逮捕に乗り出すはずだ。
そうせずに、わざわざルレイアに話を聞くってことは…。こいつらも、まだ犯人がルレイアだという確証が持ててないのだ。
「人を疑うなら、それなりの証拠を揃えてからにしろよ」
「…分かっている。他の犯人がいる可能性も、今探っているところだ。今日はあくまで、参考人として話を聞きたかっただけなんだ」
だから堪えてくれ、と言わんばかりのルシェ。
「私自身も…ルレイアが犯人だなんて思えない。いや、思いたくない…。でも、帝国騎士団副団長として…これが、果たさなければならない務めなんだ」
「…あぁ、そうかよ。あんたが言うと説得力が違うな」
その務めとやらの為に、かつてルレイアを見捨てたあんたが。
だったら、好きなようにすれば良いさ。
真実は一つだけなのだから。
「ルレイアは絶対にやってない。他に犯人がいるんだ」
俺は、きっぱりとそう断言した。
「お前達にも帝国騎士として少しでも誇りがあるなら、目の玉をよく開いて真実を見定めるんだな」
「…分かってる。そのつもりだ」
その返事で分かった。
少なくとも、ルシェはルレイアの無実を確信しているようだった。
それでも俺に事情聴取を行ったのは、先程ルシェ本人が言った通り、それが自らの役目だから。
本当は、ルレイア以外に犯人がいることを分かっている。
そして、ルシェが気づいてるってことは…恐らく、ルシェ以上に鋭いオルタンス辺りも同様だろう。
この二人が真犯人を見つけ、ルレイアにかかっている嫌疑を晴らしてくれることを、願わずにはいられなかった。
しかし、この時点で…俺は胸騒ぎのような、言いようのない不安を感じていた。
俺達に向かって、目に見えない悪意の手が伸ばされているような…そんな不安を。