The previous night of the world revolution~F.D.~
俺も、他の隊長達も驚いていたが。

オルタンスとルシェだけは、表情一つ変えていなかった。

オルタンスはまぁ、大抵いつも無表情だから別として。

ルシェが顔色を変えてないってことは…。

…この状況を仕組んだのは、他でもないルシェなんだろうな。

そして、個人的な意見としては、「よくやった」と言いたかった。

この方法なら、現在ルティス帝国の何人たりとも、ルレイアに手出し出来ない。

帝国騎士団と同じくらい強力な、帝国自警団の権利によって、ルレイアは守られている。

最強の隠れ蓑だ。

「それから、同時にルレイア・ティシェリーと共に、ルルシー・エンタルーシアも帝国自警団で保護されているとか…」

「そうか…」

ルルシー・エンタルーシア…。言わずと知れた、ルレイアの相棒だな。

あいつら、二人揃ってんのか。

ますます、誰にも手出し出来ないな。

「馬鹿なっ…。何故、帝国自警団が出張ってくる…?」

「ブロテ・ルリシアスは、ルレイア・ティシェリーが何をしたか知らないのか?」

「あのルレイアが、また言葉巧みにブロテを騙したんじゃないのか」

本人達がいないのを良いことに、言いたい放題である。

…ブロテはそこまで馬鹿じゃないと思うけどな。

あれでも、一応帝国自警団の団長なんだし…。

だが、頭に血が登っているアストラエア達に、俺が言葉で説明して納得するとも思えない。
 
「ここで話していても埒が明かないだろ」

「ならばどうすると?」

「直接、話を効いてみれば良いじゃないか。ブロテに」

あの女が何処まで知ってるのか、何処まで知った上でルレイアを保護したのか。

聞いて見る価値はあるんじゃないのか?
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