The previous night of the world revolution~F.D.~
ーーーーーー…突然、帝国騎士団の隊長達に呼ばれ。

満を持して駆けつけてみたら、用件は案の定だった。

私達が帝国自警団本部で保護しているルレイア卿を引き渡すように、との要請。

しかし勿論、私はそれを突っぱねた。

私はルレイア卿が犯人だとは思ってないし、ルシェ卿を含む帝国騎士団の一部の隊長達は、ルレイア卿を無実だと確信しているようだった。

それなのに、彼らは帝国騎士という自分達の立場故に、無実のルレイア卿を有罪にしようとしていた。

それは許されざる行為だと思う。

同じことの繰り返しだ。また、ルレイア卿に冤罪を押し付けるなんて。

私の目の黒いうちは、そんなことはさせない。

願わくば、ルレイア卿の無罪を確信している隊長さん達が、他の隊長さん達を説得してくれれば良いのだが…。

帝国騎士団を後にした私は、ユナ、セルニア以外の仲間達にも…。

マリアーネとアンブロ、シャニーの三人にも、ルレイア卿を保護したことを伝えた。

彼らも驚いていたけれど、しかし、ルレイア卿が無実であるという私の意見には賛同してくれた。

その上でユナとセルニアのように、「ブロテの意思を尊重する」と言ってくれた。

仲間に隠し事はしたくないから、自警団の仲間達全員に、ルレイア卿を保護したことを知らせたかった。

しかし、それはユナとアンブロに説得されてやめた。

しばらくは、伏せておいた方が良いと。

『青薔薇連合会』の幹部、しかも殺人容疑がかけられているルレイア卿を、帝国自警団で保護したなどと知ったら。

仲間達が動揺し、怖がるかもしれないという配慮からだった。

でも、ずっと黙っている訳にはいかない。

追々、折を見て全ての仲間達に知らせるつもりだった。

その判断が後に私達の首を絞めることになるなど、この時点では思ってもみなかった。
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