The previous night of the world revolution~F.D.~
幸いなことに。

俺が頼んだ品物は、翌日の夕方、夕食と一緒に届けられた。

「ルルシー。ブロテからお届け物来てますよ」

「おぉ…。早かったな」

「はい、どうぞ。…本か何かですか?」

長方形に膨らんだ封筒を手渡しながら、ルレイアが聞いた。

「あぁ、本だよ」

「本ですか。面白い本ですか?面白いなら俺も読みたいです」

「いや、それは…」

ルレイアが読むような本じゃない。と思うぞ…。

すると、俺が言い淀むのを見たルレイアが、突然何を思ったか。

「…はっ、まさかルルシー、あなた…」

「…何?」

「閉じ込められて欲求不満だから…えっちな雑誌を注文したんですね!?」

ずっこけるかと思った。

デカい声で、何を言い出すんだお前は。

「そんな訳ないだろ…お前じゃないんだから…」

「見たい!ルルシーの性癖を見たいです!ルルシーはどんなジャンルに萌えるのか見たい!」

「ちょ、馬鹿。俺の本を勝手に開けるな」

なんも性癖なんてねーよ。

「大丈夫ですよ。俺、ルルシーがロリ属性でも、NTR属性でも、広い心で受け入れますから」

「何目を輝かせてんだ、お前は」

「でも、ルヴィアさんの嫁を寝盗るのはやめた方が良いと思いますよ。あの人の嫁に手を出したら、さすがに後が怖、」

「当たり前だろ。ルヴィアに殺されるわ」

恐ろしいことを言うんじゃない。

ルヴィア嫁に手を出すなんて、何処の命知らずだ。

一生枕を高くして眠れねーよ。

「ねぇねぇ、見せてくださいよぅ。ルルシーのえっちな本〜」

「エロ本じゃねぇっつーの…」

何回言ったら分かるんだ。しっしっ。

付きまとってくるルレイアを、犬のように追い払ってから。

「それより、さっさと晩飯。あったかいうちに食べようぜ」

「もー…。分かりましたよー」

やっと諦めたか。

つーか、マジでエロ本じゃないからな。何を誤解してるのか知らないが。

俺は、差し入れされた二人分のお弁当をテーブルの上に置き。

割り箸をポキッ、と折った。

「あ、綺麗に割れなかった…」

割り箸綺麗に割れないと、ちょっとへこむよな…。大したことじゃないけど…。

「俺は綺麗に割れましたよ。交換しましょうか?」

「いや…別にこのままで良いよ」

別に食べられない訳じゃないし。

じゃ、いただきます。
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