The previous night of the world revolution~F.D.~
部屋を出て、近くにいたマリアーネにブロテの居場所を尋ねると。

ブロテは今、自警団の自室で朝食中とのこと。

部屋の場所を教えてもらって、ブロテのところに向かうと。

「あれっ。おはよう、二人共どうしたの?」

「…」

「…」

俺もルレイアも、二の句が継げなかった。

ブロテのテーブルの上には、朝食の残骸が散乱していた。

俺達に差し入れられたハンバーガーと、全く同じ包み紙が三つ、既に空っぽになっており。

Lサイズのポテトフライの袋は、既に4分の1に減っている。

こちらもまたLサイズのコーラは空っぽで、もう一つ、Lサイズのオレンジジュースを飲んでいるところだった。

そして、当のブロテはと言うと。

分厚いフィッシュフライと、濃厚ホワイトソースを贅沢に挟んだ特大フィッシュバーガーに齧りついて、もぐもぐ咀嚼していた。

…ごめん。なんか。

なんつーか…これまで、何であんな弁当ばっかり俺達に差し入れられる理由が分かった気がする。

「ごめんね、食事中で。どうかした?」

「…どうかしてるのは、あなたの胃袋でしょう…」

こらっ、ルレイア。それは偏見だぞ。

まぁ、でも…言いたいことは分かる…気がする。

「…ブロテ、一応聞いておくが」

「何?」

「その…テーブルの上に散らかってるハンバーガーの包み紙…。それ、お前が一人で食べたのか?」

実は、さっきまでここに他の仲間達がいて、一緒に食べてました、とか。

そういうオチじゃないよな?

しかし、その心配は杞憂だった。

「うん、そうだけど…?」

それが何か?と言わんばかり。

やっぱり…そうなのか…。

「そっちが4種の特濃チーズバーガーで、そっちがエビタルタルフライバーガー、で、そっちが君達にも差し入れしたはみ出るトンカツバーガーで…」

うわぁ。

どれもこれも、聞いてるだけで胸焼けしてきそう。

美味しいんだろうけど。でも朝から食べるボリュームじゃないって。

「で、今食べてるのが特製ホワイトソースのフィッシュフライバーガー」

「へ、へぇ…」

「…あっ、もしかして君達も、こっち食べたかった?」

「いや、遠慮しておく…」

胃もたれ確定だよ。

俺は、朝食はトーストと目玉焼きで結構。

「凄い…食べるんだな。ブロテって…。細身なのに…」

思わず、ポロッとそう漏らしてしまった。

失礼だったろうか。女性に対して。

「痩せの大食いって奴ですね」

やめろって、ルレイア。失礼だぞ。

「えっ、そう?普通だと思ってたんだけど…」

朝から特大ハンバーガー×4は、絶対普通じゃないって。

しかも、サイドメニューに大盛りポテトと、Lサイズの炭酸ジュース×2付き。

パーティーメニューか?って感じ。
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