The previous night of the world revolution~F.D.~
悪いけど、弁当のカロリーが高過ぎて食べられない、とはっきり言ったところ。

「あ…そ…そうだったんだ…」

「あ、あぁ…」

「分かったよ…。もっと早く言ってくれたら良かったのに」

ごめんな。

言いたかったんだけど、何となく言いにくくて…。

「匿われてる身で、我儘言うのはちょっと憚られて…」

「そんな。君達に居心地良く過ごしてもらう為なら、何でもするつもりだよ。ええっと、それじゃあ…」

と、ブロテは少し考え。

「今日からは、もう少しローカロリーに…。あっ、ピザとかどうかな?」

ブロテのローカロリーの基準って、ピザなの?

充分ハイカロリーだと思うけどな…。

「駄目ですよルルシー。この人、素で『カレーは飲み物でしょ?』って言うタイプですから」

「…そうか…。実在したんだな…」

カレーはガッツリ晩飯だよ。ついでにサラダとかついてたら最高。完璧な献立。

「あのな…ピザじゃなくて…」

「?ホットドッグの方が好き?」

「…自分で作るから、キッチンだけ貸してくれないかな」

買ってきてくれなくて良いよ。

俺は元々毎日自炊してたし。

何より、自分で作れば自分の好きなものを食べられるから、その方が良い。

しかし、「自分で作る」という発想は、ブロテを酷く驚かせたようで。

「えぇっ…。ルルシー卿が自分で作るの?本当に?」

「あ、あぁ…」

「…作れるの…?」

そんな怪しげな目で見ないでくれないか。

「ルルシーは『青薔薇連合会』のシェフと言っても過言ではありませんよ。米と肉と油だけ食ってる豚女とは訳が違いますから」

ルレイアの口の悪さは大問題だし、別に俺はシェフと言うほど料理が上手い訳でもないが。

一応、台所に立たされて困ることはないぞ。

「成程…良いよ。キッチン、好きに使って構わないから」

「そうか…。ありがとう」

これで、食事の問題は解決出来そうだ。
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