The previous night of the world revolution~F.D.~
「それであなた、これからどうするんですか?」
俺は、ブロテにそう尋ねた。
「どうする、って…」
「選択肢は二つ。このまま世間の批判を浴びながら、帝国自警団で俺を保護し続けるか」
あるいは、もう一つ。
「…もしくは、俺を見捨てて保護を解除し、帝国自警団から放り出すか、のどちらかです」
二つに一つですから、実質選択肢は一つだけですね。
「…!そんな…ここまで保護しておいて…ルレイアを放り出すつもりなのか…!?」
「…」
ルルシーの問いかけに、ブロテは堅く、ぎゅっと唇を噛んでいた。
…もう分かっているでしょう。ブロテ自身も。
「…ごめんなさい、ルレイア卿。ルルシー卿。こうなった以上…私には…もう、あなた達を庇い切れない」
「…!」
この答えは、容易に予想出来ていた。
だから俺は驚かなかったけど、ルルシーは再び、頭に血が登ったようで。
「あんな…綺麗事を散々言っておいて…ルレイアが無実だって解ってる癖に…ルレイアを見捨てるって言うのか」
「…」
「そうか。それがお前の正義なのかよ。お前の信じる正義っていうのは、その程度のものだったのかよ…!」
「…私だって…こうしたくてしてるんじゃないんだよ…!」
涙すら滲ませながら、ブロテは必死に訴えた。
「私だって本当は…真犯人が見つかるまで、ルレイア卿を守ってあげたい。そのつもりだったんだ。ルシェ卿にだって、そう頼まれて…」
あぁ。そういやあの女も一枚噛んでるんだっけ?
今頃、新聞片手に顔面蒼白になってるでしょうね。
帝国自警団の馬鹿共、なんてことをしてくれたんだ、って。
「でもっ…。私一人が批判されるなら、別に構わない。私が自警団の団長を辞めさせられたとしても、そんなこと私にはどうだって良いんだ…」
「ブロテちゃん!そんな…帝国自警団の団長は、あなたしか…」
自らの身を投げ打つようなブロテの言葉に、横にいたマリアーネが咄嗟に言い返した。
そりゃ、ブロテが自警団の団長をクビになったら、自警団の命運は、再びマリアーネの双肩にかかることになる。
マリアーネにとっては、何としてもブロテに団長の座にしがみついてて欲しいんでしょうね。
「自分の正義を貫く為なら、私は自分の立場がどうなっても構わない…。だけど、このままじゃ…批判に晒されるのは、私だけじゃ済まない」
…でしょうね。
「既に、新聞社だけじゃなく、テレビ、雑誌その他各メディアが、帝国自警団を槍玉に上げてる」
SNSを見てみると良い。
さっきも、自警団解散しろ、という過激な書き込みがいくつも目立っていた。
このままブロテが俺を庇い続ければ、批判はブロテだけに留まらない。
ブロテ団長、ひいては、帝国自警団全体が被害を被ることになるのだ。
「私はどうなっても構わない。でも私は、団長として、この帝国自警団という組織を守らなきゃならないんだ…っ!」
「…ブロテ…」
ブロテが言わんとすることを、ようやく理解したのか。
ルルシーの怒りは沈静化し、いかにも哀れだという風にブロテを見つめていた。
組織の長として、ブロテは私情を抑え込み、組織を守らなければならない。
それが、ブロテの役目だから。
俺は、ブロテにそう尋ねた。
「どうする、って…」
「選択肢は二つ。このまま世間の批判を浴びながら、帝国自警団で俺を保護し続けるか」
あるいは、もう一つ。
「…もしくは、俺を見捨てて保護を解除し、帝国自警団から放り出すか、のどちらかです」
二つに一つですから、実質選択肢は一つだけですね。
「…!そんな…ここまで保護しておいて…ルレイアを放り出すつもりなのか…!?」
「…」
ルルシーの問いかけに、ブロテは堅く、ぎゅっと唇を噛んでいた。
…もう分かっているでしょう。ブロテ自身も。
「…ごめんなさい、ルレイア卿。ルルシー卿。こうなった以上…私には…もう、あなた達を庇い切れない」
「…!」
この答えは、容易に予想出来ていた。
だから俺は驚かなかったけど、ルルシーは再び、頭に血が登ったようで。
「あんな…綺麗事を散々言っておいて…ルレイアが無実だって解ってる癖に…ルレイアを見捨てるって言うのか」
「…」
「そうか。それがお前の正義なのかよ。お前の信じる正義っていうのは、その程度のものだったのかよ…!」
「…私だって…こうしたくてしてるんじゃないんだよ…!」
涙すら滲ませながら、ブロテは必死に訴えた。
「私だって本当は…真犯人が見つかるまで、ルレイア卿を守ってあげたい。そのつもりだったんだ。ルシェ卿にだって、そう頼まれて…」
あぁ。そういやあの女も一枚噛んでるんだっけ?
今頃、新聞片手に顔面蒼白になってるでしょうね。
帝国自警団の馬鹿共、なんてことをしてくれたんだ、って。
「でもっ…。私一人が批判されるなら、別に構わない。私が自警団の団長を辞めさせられたとしても、そんなこと私にはどうだって良いんだ…」
「ブロテちゃん!そんな…帝国自警団の団長は、あなたしか…」
自らの身を投げ打つようなブロテの言葉に、横にいたマリアーネが咄嗟に言い返した。
そりゃ、ブロテが自警団の団長をクビになったら、自警団の命運は、再びマリアーネの双肩にかかることになる。
マリアーネにとっては、何としてもブロテに団長の座にしがみついてて欲しいんでしょうね。
「自分の正義を貫く為なら、私は自分の立場がどうなっても構わない…。だけど、このままじゃ…批判に晒されるのは、私だけじゃ済まない」
…でしょうね。
「既に、新聞社だけじゃなく、テレビ、雑誌その他各メディアが、帝国自警団を槍玉に上げてる」
SNSを見てみると良い。
さっきも、自警団解散しろ、という過激な書き込みがいくつも目立っていた。
このままブロテが俺を庇い続ければ、批判はブロテだけに留まらない。
ブロテ団長、ひいては、帝国自警団全体が被害を被ることになるのだ。
「私はどうなっても構わない。でも私は、団長として、この帝国自警団という組織を守らなきゃならないんだ…っ!」
「…ブロテ…」
ブロテが言わんとすることを、ようやく理解したのか。
ルルシーの怒りは沈静化し、いかにも哀れだという風にブロテを見つめていた。
組織の長として、ブロテは私情を抑え込み、組織を守らなければならない。
それが、ブロテの役目だから。