The previous night of the world revolution~F.D.~
こうして、俺とルレイアは、ほぼ丸一日かけて。

シェルドニア王国中央卸売市場での買い物を済ませた。

…何だろう。外の空気が美味しい。

今まで色々なものを食べたけど、やっぱり新鮮な空気が一番美味しいな。

「いやぁ、良い買い物をしましたねー」

「…そうか…」

ルレイアが楽しかったなら、それで良いよ。

…思い出しただけで、おぇっ…。

「帰ったら、今日買ったカラスを調理して食べましょうね、ルルシー」

「…そうだった…」

今日の晩飯、カラスなんだった。

どうやって食べるのが正解なんだろう…。一応鶏肉と同じ扱いで良いのか…?

「それ…どう調理すれば良いんだ…?」

「塩コショウでシンプルにソテーするのが美味しいらしいですよ」

「マジかよ…」

「原型」を留めないように、衣を纏わせて唐揚げにしようか、とか考えてたのに。

シンプルにチキンソテーにするのが美味しいらしい。

いや…チキンじゃないけど…。

「カラスって…横文字でなんて言うんだ…?」

「クロウですね」

「じゃあ…クロウソテーか…」

…聞いたことある?クロウソテーなんて。

なんか強そうな名前なんだけど。本当に食べられるのか…?









…半信半疑のまま、アパートに帰って。

ルレイアの言う通り、カラス肉に塩コショウをかけてソテーした、通称クロウソテーは。

食べてみたら、臭みもエグみもなくて、予想以上に美味しくて悔しかった。

ただし、もう一回食べたいとは思わなかった。



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