The previous night of the world revolution~F.D.~
こうして、一日のブライダルフェア体験会を終え。
アパートに戻ってから。
「はぁ…。酷い目に遭った…。…火傷した口の中が痛いし…」
ルルシーは、何故かげっそりと疲れ果てていた。
きっとはしゃぎ過ぎたんでしょうね。分かりますよその気持ち。
「にゅふふ。見てくださいよルルシー。結婚式で使える割引クーポンもらっちゃいました」
今日体験した結婚式場で結婚式をしたら、お色直しが一回無料、ですって。
いやぁこれはお得ですね。
これには、ルルシーも思わず「じゃあここで結婚式しようか」と言ってくれるは、
「捨ててしまえそんなもの。永遠に使う機会はない」
ばっさりと一刀両断。
酷いと思いません?シュノさんがいたら泣きつくところですよ。
まぁ、でもここはあくまでシェルドニア王国。異国ですからね。
お色直しって言ったって、あの白い衣装じゃつまらないし。
何より。
「そうですね…。俺達、もうすぐ箱庭帝国に行くんだし。残念ながらシェルドニア王国で挙式は無理ですね」
「…は?」
ルルシーは、目を真ん丸にしてこちらを見ていた。
あら。可愛い顔。
「…箱庭帝国?どういうことだ?」
「一昨日、ルシードからメールが来たんですよ。こっそり箱庭帝国に亡命する準備が整ったから、早めに支度してくれ、って」
「…」
ルルシーは、何が起こってるのか分からない、みたいな顔でポカーンとしていた。
「ど…どういうことなんだ?おい、ルレイア。説明しろ」
えーっと。そうですねー。
ルルシーの顔が、心なしか怖くなってる気がしますね。
「ルシードに頼んでおいたんですよ。箱庭帝国に亡命する手配をしておいてくれって」
「何だと…!?」
「ほら、だっていつまでもシェルドニア王国に亡命するの嫌じゃないですか」
あちこち真っ白で、目に悪い国だし。
何より、その辺に電信柱のごとく乱立する、『白亜の塔』が目障りで仕方ない。
たまに観光する程度なら良いけど、長期間シェルドニア王国に滞在するなんて冗談じゃない。
二、三ヶ月の間なら洗脳されないとは分かってますけど。
長居したくないのは確かでしょう?
「お前、いつの間にそんなこと頼んでたんだ」
ルルシーの顔色が、どんどん怒りに染まっている気がする。
気の所為、気の所為。
「シェルドニア王国に来てすぐですよ。メモ用紙渡してたでしょう?」
「…!あれか…!」
思い出したようですね。
あの時、既に頼んでたんです。
「で、一昨日には準備が出来たってことです。これでいつでも箱庭帝国に行けますね」
「…」
「今日帰ってから支度して、明日朝イチで出立しましょうかー」
「…」
何故か無言のルルシー。
次の瞬間、ルルシーの鉄拳が俺の脳天に飛んできた。
アパートに戻ってから。
「はぁ…。酷い目に遭った…。…火傷した口の中が痛いし…」
ルルシーは、何故かげっそりと疲れ果てていた。
きっとはしゃぎ過ぎたんでしょうね。分かりますよその気持ち。
「にゅふふ。見てくださいよルルシー。結婚式で使える割引クーポンもらっちゃいました」
今日体験した結婚式場で結婚式をしたら、お色直しが一回無料、ですって。
いやぁこれはお得ですね。
これには、ルルシーも思わず「じゃあここで結婚式しようか」と言ってくれるは、
「捨ててしまえそんなもの。永遠に使う機会はない」
ばっさりと一刀両断。
酷いと思いません?シュノさんがいたら泣きつくところですよ。
まぁ、でもここはあくまでシェルドニア王国。異国ですからね。
お色直しって言ったって、あの白い衣装じゃつまらないし。
何より。
「そうですね…。俺達、もうすぐ箱庭帝国に行くんだし。残念ながらシェルドニア王国で挙式は無理ですね」
「…は?」
ルルシーは、目を真ん丸にしてこちらを見ていた。
あら。可愛い顔。
「…箱庭帝国?どういうことだ?」
「一昨日、ルシードからメールが来たんですよ。こっそり箱庭帝国に亡命する準備が整ったから、早めに支度してくれ、って」
「…」
ルルシーは、何が起こってるのか分からない、みたいな顔でポカーンとしていた。
「ど…どういうことなんだ?おい、ルレイア。説明しろ」
えーっと。そうですねー。
ルルシーの顔が、心なしか怖くなってる気がしますね。
「ルシードに頼んでおいたんですよ。箱庭帝国に亡命する手配をしておいてくれって」
「何だと…!?」
「ほら、だっていつまでもシェルドニア王国に亡命するの嫌じゃないですか」
あちこち真っ白で、目に悪い国だし。
何より、その辺に電信柱のごとく乱立する、『白亜の塔』が目障りで仕方ない。
たまに観光する程度なら良いけど、長期間シェルドニア王国に滞在するなんて冗談じゃない。
二、三ヶ月の間なら洗脳されないとは分かってますけど。
長居したくないのは確かでしょう?
「お前、いつの間にそんなこと頼んでたんだ」
ルルシーの顔色が、どんどん怒りに染まっている気がする。
気の所為、気の所為。
「シェルドニア王国に来てすぐですよ。メモ用紙渡してたでしょう?」
「…!あれか…!」
思い出したようですね。
あの時、既に頼んでたんです。
「で、一昨日には準備が出来たってことです。これでいつでも箱庭帝国に行けますね」
「…」
「今日帰ってから支度して、明日朝イチで出立しましょうかー」
「…」
何故か無言のルルシー。
次の瞬間、ルルシーの鉄拳が俺の脳天に飛んできた。