The previous night of the world revolution~F.D.~
噴火したルルシー火山がようやく沈静化したのは、もう4発くらい俺をぶん殴ってからだった。

…まぁ、俺全部避けたんですけど。

「はぁ、はぁ…。疲れた…当たらないし…」

あまりに空振りし過ぎて疲れたのか、ルルシーは息を荒くしていた。

ふぅ。危なかった。

「もう良い…。怒り疲れた…」

「そうですか」

「お前はそう…猫だ。野生の野良猫…。野良猫相手に怒っても仕方ないよな」

自分に必死にそう言い聞かせている。

俺、猫なんですか。

きっと黒猫ですね。格好良いし。

「…もう怒ってる時間が惜しい。準備が出来てるなら、明日と言わず今夜にでも出発するぞ」

おっと。今夜ですか?

ルルシーったら。せっかちさんなんだから。

でも、まぁブライダルフェアも参加して、満足してますし。

最早この国に未練はありません。

「良いですよ。シェルドニア王国が箱庭帝国行きのチャーター便を用意してくれてるらしいので。それで行きましょう」

明日には、箱庭帝国に辿り着けるでしょう。

…お土産に、シェルドニア名物ミミズ饅頭でも買っていきましょうかね。

きっと、ルアリスも喜んでくれることでしょう。
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