The previous night of the world revolution～F.D.～

ーーーーー…その知らせを受けたのは、数日前のことだった。

突然、シェルドニア王国のルシード殿から秘匿の連絡が入ったのだ。

第一報を聞いた時は、酷く驚いたものだ。

…かの「洗脳国家」シェルドニア王国のことは、俺も風の噂に聞いている。

そんな国から秘密裏に連絡が入ったのだから、身構えるのも当然というものだ。

しかし、その内容は、予想だにしないものだった。

「あの」ルレイア殿が、ルティス帝国でトラブルに巻き込まれたというのだ。

そして、現在シェルドニア王国に亡命していると。

その時点では、アシミム女王は「ルレイア殿がトラブルに巻き込まれて、国外に亡命している」としか教えてくれなかった。

恐らく、俺の反応を見ていたのだと思う。

もし万が一、俺が箱庭帝国に迎え入れるのを拒んだら。

俺がルティス帝国の帝国騎士団に、ルレイア殿がシェルドニア王国に亡命していることを密告するのでは、と恐れたのだろう。

しかし、先に教えられたとしても、後で教えられたとしても、俺の返事は変わらなかったはずだ。

突然の連絡に驚いたけれど、それでも、俺はすぐに了解した。

理由なんてどうだって良かった。

ルレイア殿が助けを必要としている。箱庭帝国に亡命することを望んでいる。

それだけで充分だった。

すぐに、ルレイア殿とルルシー殿を国内に受け入れる準備を整え、二人が到着するのを待った。