The previous night of the world revolution~F.D.~
ーーーーー…さて、ルアリスに歓迎されて、箱庭帝国にやって来た俺とルルシー。
ルアリスに、帝都にある小さな家に案内された。
「ここなんですけど…。…どうですか?」
と、ルアリスが聞いてきた。
どうって、何がどうですか。
一軒家ではあるけど、中古の小さな平屋。
シェルドニア王国で住んでいたアパートに比べると、随分と慎ましい家である。
しかし、それが良い。
何より、部屋もカーペットも真っ白じゃない辺りが最高ですね。
「良い家じゃないですか。結婚式を終えたばかりの俺とルルシーに相応しいスイートハウスですよ」
「…え?結婚式?」
ぽかんとするルアリス。
「…あのな、ルレイアの戯言だから。気にしなくて良いからな」
ルルシーが、能面みたいな顔で答えた。
ちょっと。何でですか。
戯言も何も、本当にさっき結婚式してきたばかりでしょうよ。
…まぁ体験会なんですけど。
「え、えぇと…。何か必要なものがあったら教えてください」
「はい、そうします…。…あぁそうだ、これ」
「はい?」
俺は、シェルドニア王国の空港で買ってきたお土産を、ルアリスに差し出した。
これを渡すのを忘れちゃいけませんよね。
「お土産です。是非家族で食べてください」
「あ…ありがとうございます…」
ルアリスは、びっくりしてお土産を受け取った。
…そんな驚かなくても。
お世話になるんですから、俺だってお土産くらい渡しますよ。
敷金礼金代わりにね。
「ルレイア殿が…俺にお土産をくれるなんて…」
「失礼な。俺だって礼儀正しい大人なんですからね」
「そ、そうですか…。そうですよね…」
「大事に食べてくださいね。そのし…。ミミズ饅頭」
「ありがとうございま…。…え?ミミズ?」
目を真ん丸にして、固まっているルアリス。
どうしたんでしょうね。シェルドニア王国の名物土産なのに。
きっと喜んでくれたに違いない。
「じゃ、今日からここに住まわせてもらいますねー」
「は、はい…。えっ、ミミズってなん…。…えっ…!?」
俺が渡したセンス抜群のお土産を手に、あたふたしているルアリスを横目に。
俺とルルシーの、楽しい楽しい箱庭帝国亡命生活がスタートした。
いやぁ。俺達の未来は明るいですね。
ルアリスに、帝都にある小さな家に案内された。
「ここなんですけど…。…どうですか?」
と、ルアリスが聞いてきた。
どうって、何がどうですか。
一軒家ではあるけど、中古の小さな平屋。
シェルドニア王国で住んでいたアパートに比べると、随分と慎ましい家である。
しかし、それが良い。
何より、部屋もカーペットも真っ白じゃない辺りが最高ですね。
「良い家じゃないですか。結婚式を終えたばかりの俺とルルシーに相応しいスイートハウスですよ」
「…え?結婚式?」
ぽかんとするルアリス。
「…あのな、ルレイアの戯言だから。気にしなくて良いからな」
ルルシーが、能面みたいな顔で答えた。
ちょっと。何でですか。
戯言も何も、本当にさっき結婚式してきたばかりでしょうよ。
…まぁ体験会なんですけど。
「え、えぇと…。何か必要なものがあったら教えてください」
「はい、そうします…。…あぁそうだ、これ」
「はい?」
俺は、シェルドニア王国の空港で買ってきたお土産を、ルアリスに差し出した。
これを渡すのを忘れちゃいけませんよね。
「お土産です。是非家族で食べてください」
「あ…ありがとうございます…」
ルアリスは、びっくりしてお土産を受け取った。
…そんな驚かなくても。
お世話になるんですから、俺だってお土産くらい渡しますよ。
敷金礼金代わりにね。
「ルレイア殿が…俺にお土産をくれるなんて…」
「失礼な。俺だって礼儀正しい大人なんですからね」
「そ、そうですか…。そうですよね…」
「大事に食べてくださいね。そのし…。ミミズ饅頭」
「ありがとうございま…。…え?ミミズ?」
目を真ん丸にして、固まっているルアリス。
どうしたんでしょうね。シェルドニア王国の名物土産なのに。
きっと喜んでくれたに違いない。
「じゃ、今日からここに住まわせてもらいますねー」
「は、はい…。えっ、ミミズってなん…。…えっ…!?」
俺が渡したセンス抜群のお土産を手に、あたふたしているルアリスを横目に。
俺とルルシーの、楽しい楽しい箱庭帝国亡命生活がスタートした。
いやぁ。俺達の未来は明るいですね。