The previous night of the world revolution~F.D.~
第二部8章
ーーーーー…その頃。ルティス帝国では。

「…んー…。…成程…」

僕は、自室のパソコンの前で名簿を開いていた。

…すると。そこに。

「ルーチェスくーん」 

「はい?」

自室の扉の影から、僕の嫁のセカイさんが、ひょっこりと顔を覗かせていた。

おー。可愛い。

「もう寝る時間だよー?まだ起きてるの?」

「えぇ。実は今仕事が立て込んでましてね」

というのも。

現在、敬愛するルレイア師匠が不在であり。

それに、ルルシーさんもいないので、『青薔薇連合会』には幹部が二人も欠けている。

その分、彼らの仕事を他の幹部達で割り振っているので、普段より仕事は多めである。

…ついでに言うと、今の僕は、アイズ総長から頼まれた「別のお仕事」もありますからね。

とても忙しい状態なんです。いやはや。

「なーんだ…。つまんないな。今夜は可愛いルーチェス君の為に、いーっぱい『サービス』してあげようかなーと思ったのにー」

ちょっと聞き捨てならないことを聞きましたね。

「セカイさん。その『サービス』というのは…夜のサービスのことですよね…?」

「うん。もっちろん」

「…」

本気で、今やってる仕事を放り出して、セカイさんとベッドインしようかという衝動に駆られた。

動機がコレだったら、ルレイア師匠もきっと怒らないと思うんですよ。

下半身の衝動には勝てません。

しかし、ここで衝動に負けるのは、愚かな獣ですよ。

愛する師匠の為に、僕は血の涙を呑んで耐えた。

辛い。実に辛い瞬間です。

「…大変そそられるお誘いですが、残念ながら今、本当に忙しくて…」

「そうなんだ…」

「…その『サービス』権って、後日に持ち越し可能ですか…?」

もし持ち越し不可能だったら、僕はもう一回考え直します。

しかし。

「しょうがないなー。セカイお姉ちゃんは優しいからね。可愛い弟くんの為に、『サービス』は次回に持ち越ししてあげよう」

「ありがとうございます!」

セカイお姉ちゃんの優しさに、万歳。

これでお仕事、いっぱい頑張れる気がしてきました。
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