The previous night of the world revolution~F.D.~
「それにしても…お疲れだね、ルーチェス君」

「えぇ…まぁ」

まさか、亡命中の師匠の無実を証明する為に頑張ってます、とも言えず。

言葉を濁すしかないのが辛いところですよね。

しかし、幸いなことにセカイさんは、しつこくは聞いてこなかった。

「そっかー。頑張ってるねールーチェス君。よしよし」

もみもみ、と肩を揉んでくれた。

その気持ちは、大変嬉しいのだが…。

「済みません、セカイお姉ちゃん…。有り難いんですけど、そう触られるとムラムラしてきちゃうので、勘弁してください」

「おぉっと。ルーチェス君はえっちだなー」

そうなんですよ。思春期なんで。

「じゃあ、代わりに何してあげよっか?何でもしてあげるよ。このセカイお姉ちゃんにどーんと任せなさい」

とのこと。

えへん、と胸を張るセカイさんが、とっても可愛いですね。

特に、そのちっぱい胸が最高。

思わずもみもみしたくなりますけど、理性で必死に堪える。

「あ、そうだ。夜食作ってあげよっか?」

非常に危険な申し出が飛び出してきた。

「焼きおにぎりとかどう?サンドイッチとか。作ってあげよっか?」

「作ってくれたら嬉しいですけど、セカイお姉ちゃんが台所に立つと悲劇が訪れそうなんで、遠慮しておきます」

「そりゃないよぅ、ルーチェスくん〜っ」

だって、これまで何度も経験してますからね。

セカイさんはとっても「料理上手」な人なので。

下手にキッチンを任せると、それは大変なことになるんですよ。

いやはや。そんなところもお茶目で好きですけどね。

「じゃ、コンビニで夜食買ってくるよ!それなら良いでしょ?」

え、コンビニで?

「良いですけど…。外、寒いですよ?」

「大丈夫!もこもこコート着ていくから」

「それに、こんな夜中じゃうっかりスケベな暴漢に襲われるかもしれませんよ?」

「大丈夫!そんな悪い男の子は、股間蹴っ飛ばしてあげるから」

成程。一周回ってご褒美ですね。

「分かりました。じゃあ防寒対策と暴漢対策をしっかりして出掛けてくださいね」

「任せて!そんじゃ行ってくるね〜」

もこもこコートに身を包んだセカイお姉ちゃんは、笑顔で手を振って出掛けていった。
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