The previous night of the world revolution~F.D.~
結局、パーティーが終わる直前まで、ルレイアはマリーフィアを捕まえて離さなかった。

「あ…。そろそろパーティーもおしまいですわね」

気がつくと、もうかなり遅い時間に。

凄いな、ルレイア…。一瞬たりともマリーフィアを離さなかったぞ。

「長々とお喋りしてしまいましたね。済みません」

「とんでもない…。とても楽しかったですわ。出来れば、もっとお話していたかったのですけど…」

「本当ですか?実は、俺もなんです。あなたとは…不思議と、波長が合うと言うか…いくら話していても飽きませんね」

「まぁ…。そう言っていただいて光栄ですわ」

…口説いてんなぁ…。

あんなイケメンに、あんな甘い殺し文句を言われてみろ。

男の俺だって、不覚にもドキッとするぞ。

「良かったら、また今度会いませんか?スイーツが美味しいカフェを知ってるんです」

「本当ですの?是非ご一緒したいですわ」

次に会う予約を、早速取り付けていらっしゃる。

こうして、ルレイアの毒牙にハマっていくんだなって。

あのマリーフィアという子が、気の毒なような気がしなくもないが…。

今回ばかりは、ルレイアの女ったらしぶりが頼もしかった。

「必ず、また会いましょうね。約束ですよ」

「えぇ。約束しますわ」

にっこりと微笑むマリーフィアは、既にメスの顔であった。

…籠絡、成功。

ルレイアの巧みな手管に感服である。
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