The previous night of the world revolution～F.D.～

ーーーーー…不穏な暗殺計画が着々と進む中。

そんなこと知る由もない俺とルルシーは。




「ただいまー、皆さん。ルレイアが帰ってきましたよー」

大手を振って、晴れて『青薔薇連合会』本部に帰還していた。

仲間達との再会は、それは感動的なものだった。

「うぉぉぉーっ！ルレ公、ルル公、おめぇらどの面下げて帰ってきやがった！おけぇり！」

「二人共、元気そうで何よりだよ」

「お帰りなさい、ルレイア師匠！首をなが〜くして待ち侘びていましたよ」

「ルルシー先輩もな。少し会わないうちに、またイケメン度が増したようだな」

「…増してねーよ…」

ルルシーは力なく応じていたが、その表情は緩んでいた。

久し振りに仲間達に会えて、ルルシーも喜んでるんでしょうね。

その気持ちはよく分かります。

箱庭帝国滞在中、アイズからメールが届いた時は驚きましたよ。

『真犯人が帝国騎士団に名乗り出たらしくて、ルレイアの容疑が晴れたからルティス帝国に戻ってきても大丈夫だよ。』というメールが。

ルルシーは半信半疑だったけど、でもアイズが俺達に嘘をつくはずもなく。

俺達は、ルティス帝国に戻ることにした。

とはいえ、俺もルルシーも、ルティス帝国を出る時に不正出国をした身なので、正式な国境検問所は通れない。

しかし、問題はなかった。

警備が厳しいのは、ルティス帝国側だけの話。

出国するには厳重なチェックが行われるが、入国するのは楽なもの。

行きは怖いが帰りは良い良い。ってことですね。

あっさりと箱庭帝国とルティス帝国の国境を越えて、こうして『青薔薇連合会』本部に戻ってきました。

俺に対する容疑も晴れたということで、これで一安心ですね。

いやー、一件落着。

「ところでアイズ、シュノさんは？姿が見えないようですが」

熱烈歓迎してくれた仲間達の中に、シュノさんの姿はなかった。

彼女は元気でしょうか。

「シュノなら、今丁度任務中でね…。ルレイアが帰ってくることは伝えてあるから、急いで戻ってきてる頃だと…」

「お、噂をすればシュノ先輩が戻ってきたぞ」

アイズが説明をしていると、慌ただしい足音が聞こえてきた。

いつも冷静なシュノさんに似合わず、肩で息をしながら、駆け足でやって来た。

「ルレイアっ…。ルレイアが戻ってきたって本当、」

「あ、シュノさん。こんにちは」

「…」

任務帰りのシュノさんは、俺の姿を見て呆然と立ち尽くしていた。

「元気でしたか？シュノさん。ただいま戻りましたよ」

「…」

「…シュノさん？大丈夫ですか？」

あまりに無反応なので、心配になって問いかけると。

呆然と立ち尽くしていたシュノさんの顔が、一瞬にして涙に歪んだ。