The previous night of the world revolution~F.D.~
「う、うぅぅ…ルレイアぁぁ…」

あー…。

みるみるうちに、シュノさんの瞳に大粒の涙が浮かんだ。

あらら…また泣かせちゃいましたね。

「ルレイアっ…。本当にルレイアなのね。帰ってきたのね…!」

「えぇ、帰ってきましたよ。シュノさんのもとに」

「う、うぅっ…ルレイアぁぁっ…!」

ぼろぼろと涙を流しながら、シュノさんは俺の胸に飛び込んできた。

しっかりと抱き返すと、シュノさんは俺の胸に顔を埋めて、号泣。

「ふぇぇぇ…会いたかった、会いたかったよぅ…!」

「よしよし…。俺もシュノさんに会いたかったですよ」

「ふぇぇぇぇ」

あらら…余計泣かせてしまいましたね。

「あーあ!またルレ公がシュー公を泣かしてる!いーけないんだ!アイ公に言いつけてやるからな」

「言いつけるも何も、アイズ総長なら今、目の前にいますけどね」 

「良かったな、シュノ先輩。今日は思いっきりルレイア先輩に甘えてくれ」

「私達も、またルレイアとルルシーの元気な姿を見られて嬉しいよ」

アリューシャ、ルーチェス、ルリシヤ、アイズの順で言った。

いやぁ。仲間達の歓迎ほど、嬉しいものはありませんね。

「やれやれ、まったく…。変わらないな、お前達は…」

これには、ルルシーも苦笑交じりに呟いていた。

こういういつものやり取りを見ていると、なんか、こう…。

帰ってきたー!って感じがしますよね。

居るべきところにすっぽり収まってる安心感、と言いますか。

これが実家のような安心感…って奴なんですかね。

実家で心が休まったこと一回もないので、分かりませんけど。

「さぁて、俺に対する容疑も晴れたことだし、一件落着ですね。今日は皆で再会のお祝いパーティーをひら、」

「おい、ちょっと待て」

え?

ルルシーが、ガシッと俺の肩を掴んだ。

何ですかルルシー。何か気になることでも?

「そんなことしてる場合じゃないだろ」

「え?何で…。あ、そうか。そうでしたね。大切なことを忘れるところでした」

「そうだ」

無事に、おうちに帰ってくるまでが遠足、と言いますけど。

家に帰って、家族にお土産を渡すまでが遠足。ですよね。

「皆さんにお土産買ってきたんですよ。箱庭帝国のお土産」

「ちょ、おま。そうじゃねぇ!」

「やったぜ、お土産!くれ!」

「ほう、何を買ってきたんですか?」 

ルルシーが何やら喚いていたけれど、それは聞こえなかったことにして。

お土産を出しましょう。これを忘れちゃいけませんよねー。

「はいっ、こちら箱庭帝国名物の、お砂糖たっぷりお汁粉セットです」

「へぇー、美味しそうですね」

「でしょう?ルーチェス。カップ麺みたいに、お湯を入れたら簡単に出来るっていう優れもの、いたたたた」

「…今、お土産なんか渡してる場合じゃないよな?」

折角、俺がお土産のお汁粉を披露しようと思ったのに。

物凄い形相をしたルルシーが、俺のほっぺたをちぎらんばかりに抓っていた。

DVですよこれ。いやん。
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