The previous night of the world revolution~F.D.~
その後の顛末について話しておかなければなるまい。

エルスキー、ミューリア、アシベルの三人の遺体は、アイズの部下達が回収し、少しだけ手を加え。

それから、帝国騎士団に引き渡した。

サイネリア家当主殺害の真犯人として。

その際アイズは、「自責の念に駆られた真犯人が『青薔薇連合会』のもとに名乗り出て、その後三人共自殺した」と証言した。

死体には少々細工を施して、ルレイアに斬られた傷を、自殺して死んだように見せかけた。

嘘八百の証言だが、まさか復讐に来た三人をルレイアが返り討ちにした、とも言えず。

こんな下手な嘘をつかなければならなかったという訳だ。

死人に口無し、とは上手いことを言ったものである。

三人の死体を受け取った帝国騎士団側は…特にオルタンスやルシェは、死体の損傷を見て、すぐに自殺ではないことに気づいたはずだ。

それは紛れもなく、ルレイアがつけた傷だと。

だが、誰も、何も言わなかった。

サイネリア家当主殺害の真犯人は、三人共自殺した。

これにて一件落着として、それ以上蒸し返すようなことはしなかった。

こうして、三人の過去の亡霊が引き起こした、ルレイアを取り巻く数々の騒動は幕を閉じた。

非常に後味の悪い結果に終わったが、ほれでも俺は、心底安心していた。

…これで、俺とルレイアと、『青薔薇連合会』の平穏が保たれる。

それ以上に大切なことは何もない。

きっと殺された三人は、ルレイアのみならず、俺のことも恨んでいるだろう。

それで良い。

俺もまた、ルレイアと共に地獄に堕ちることを選んだ共犯者なのだから。


















END
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