The previous night of the world revolution~F.D.~
「今日のデートは何処に行くんだ?ルレイア先輩」

と、ルリシヤが聞いてきた。

良い質問ですね。

「今日は、これからミュージカル鑑賞です。帝都の○○劇場で、『ルティス帝国英雄伝』のミュージカルが開かれるそうで」

マリーフィアが「行きたい」と言うので、快く了承した次第である。

「ミュージカルの後で、ホテルのレストランのディナーを予約してあるので、そこで食事してきます」

「すげー…。マジでデートって感じだな」

「しかも、上流階級のデートね…。とってもリッチだわ」

感心するアリューシャとシュノさんである。

「ルレ公だったら、そんな段階踏まずにすぐにホテルに連行しそうな気がするけど、意外と真っ当にデートすんだな」

「失礼な。俺はいつだって真っ当にデートしてますよ」

非常に心外。

アリューシャは俺を何だと思ってるんですか。

「二週間前に出会って、既に何回もデートする仲にまで進展してるっていうのが普通に凄いけどな…」

「相手は貴族だからね。もっと時間がかかるかと思ってたけど…。さすがルレイアだね」

ルルシーとアイズが言った。

ありがとうございます。俺の手にかかれば、このくらいは余裕ですよ。

俺が本気になれば、その日のうちにホテルに直行…も、難しいことではないんですがね。

今回は相手が相手なので、珍しくちょっと慎重になっているんです。

…とはいえ、いつ『ローズ・ブルーダイヤ』の紛失に気づかれるか分からない以上。

あまり、悠長なことはしていられませんね。

「そろそろ、次の段階に移る頃かなと思ってるんですが…」

「おっ、ホテルか?ラブホテルか!?」

「何で面白がってんだよ、アリューシャ…」

「だってルレ公つったら…それが…日常でね?」

まぁ日常ですけど。

「忘れてるかもしれないが、相手は未成年なんだからな。下手なことはするなよ」

「分かってますって、ルルシー。そんな睨まなくても…ちゃんと帰ってきたら、ルルシーともデートしますよ」 

「ちょっと待て。何も分かってないじゃないか」

「それじゃあ、デートに行ってきますね〜」

「行ってらっしゃい、ルレイア。頑張ってきてね〜」

手を振るシュノさんに笑顔を返して、俺はマリーフィアとの、何度目かになるデートに向かった。

何となく、根拠はないけれど。

今日、何かが起こるという強い予感があった。

そして、その予感は見事的中することになる。
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