社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「鈴木さんという名前も……もしかして違うの?」

「あとでいずれ話す。今は何も知らないほうが、万が一、誰かに里沙が何か聞かれたときに都合がいい。里沙は嘘をつけないからな。表情に気持ちがストレートに出る。ここ最近で君が正義感のある正直者だということはわかったからな……」

 そう言われたら聞き返せない。私を守る為ってことよね。

「うん。わかった。教えてくれるのを楽しみにしてる」

 ウインクすると、彼が私の頭を撫でた。

「いい子だ。よし、ありがとう。後はもう大丈夫だ。君も自分の仕事に戻ってくれ」

 そう言われて、応接室を出た。

 私を見ている眼があることにその時は気づかなかった。

 そのまま自分の部屋の仕事に戻った。

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