社内捜査は秘密と恋の二人三脚
ここは鈴木さんを悪者にするしかない。
「鈴木さんが何をしているのかは知りませんが、監査のために今までの書類をさがしているそうで、廃棄される前に確認したいということで、部長も許可を……」
「……北村さん。早口になると嘘だ。すぐにわかる。僕もね、君を二年近く見てきたんだ。おかしいということくらいわかるんだよ」
「……」
どうしよう、どう言ったらいいの。部長に連絡しないと……。鈴木さんは帰ってきたかしら……携帯で連絡したら来てくれるかもしれない。
「あ、あの。トイレに行ってきてもいいですか?」
「だめだよ。誰かに連絡する気だな。携帯をおいていきなさい」
「そんな……信用してくれないんですか?」