社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「あいつは誰だ?鈴木っていうのは一体誰だ?俺に説明なく手伝いを入れたことからしておかしい。部長もグルだな」
すごい目で私の目を見つめて、答えを探っている。まずい。私は目をつむって下を向いた。
「何度も地下で鈴木を見たと言っていた。おかしな話だ。急に来て、あの部屋のことを知っているのも変だ」
専務は携帯で電話をしている。
「ああ、私だ。来てくれ。彼女は捕まえたか?よし、連れて来い。あいつに見られるなよ」
嫌な予感しかしない。来るとしたら二部のあのふたり。彼女ってまさか……。
ニヤリと私を見て、専務が言う。
「君はどこまで何を知っている?地下室でこれから来るふたりと会ったそうだな。あいつらは君に姿を見られているんだろ?そのとき、君はあいつらを何度か見ていると口走ったらしいな。残念だね、あいつらも馬鹿だが、君も余計な尻尾を見せてしまった」