社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 やっぱりだわ。目をつむって意を決して答えた。

「専務こそ、一体どうしてそんなことしているんです?ショックなのはこっちです。専務のこと尊敬していたのに……」

「……はっ。やっぱりな……残念だよ北村さん。もっと警戒すべきだった。甘やかしすぎたな。そして、君は鋭いけれど、素直だ。尻尾をつかまれないようにやりたまえよ」

 すると、予想したとおりの二人と斉藤さんが来た。あのふたりの間に挟まれて歩かされている。

「……北村さん!」

 私は彼女に目配せした。

「さてと。斉藤さんだったかな。君は何を知っていて、関根課長に教えた?あいつだろ、あいつが探らせているんだな。二部の部長は馬鹿だから何も気付かない」
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