社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「はは、探偵ってドラマか小説の読み過ぎ?探偵ではないが、監査前に調査したいことがあってね。君は秘書というからには秘密を守るのはお得意だろ?さっきの様子を見たところだと正義感もあるみたいだからな」
「調査って何?監査とは違うの?」
「監査とは全然違う。調べたいことがあってね。さっきの連中は俺が調べに来た部署のターゲットの奴ら。実はフロアの近くで話しているのを聞いて付けてきた。言ってる内容がおかしかったから……案の定だった」
何なの……?様子がおかしい?どうしてあの二人のことを知っているの?
「ねえ、どうしてあの二人のこと知っていたの?」
「まあ、ちょっとね。誰にも言うなよ」
「さっきの二人の話からいくと、どう考えても五千万円は少なくとも会社のお金を何かよからぬことに……聞いていてそう思わなかった?」
驚いた顔をして私を見た。
「君。結構鋭いね。さすがだな……でもそういうこと考えなくていいから。俺が調べるから君は忘れるんだ」