社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「ガシャーン!」

 斉藤さんは長田さんとぶつかって、カクテルをこぼした。彼にも彼女の服にもかかってしまった。

「トイレに行ってきます」

 そう言うと走って出て行く。長田さんが遅れて彼女を追いかけた。

「目端の利く娘だな」

「ったく、生意気なんですよ。ただ、仕事はできます。まさか、斉藤に探られていたとは……すみませんでした」

 峰山さんが専務に言う。すると専務が答えた。

「私は先に失礼する。場所を移動した方がいいだろう。あの娘、関根に連絡している可能性が高い。上を取ってあるな?」

「はい」
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