社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「斉藤が峰山のほうの事務もしていて、俺の時と金額に差異がありすぎて聞いてきたんです。斉藤が賢いのは峰山には言わず、俺に聞いてきたこと。事務ですが周りをよく見ている。彼女の賢さに助けられた」
「なるほどね。俺は畑中専務の動きを秘書の北村さんから聞いて、あの部屋へ運び込んだものを確認したら、営業二部のものがほとんどだった。しかもあの二人の案件。会計部で見逃すようにしないとうまくいかないからな」
「つまり、畑中専務もグルっていうことですね?」
「そして財団の社長もグルの可能性が高い。本社の財団担当役員の木下取締役。ふたりは同期だ」
「……それで?これからどうすればいいですか?」
「畑中専務は俺がここへ入ってきたことで本社の木下取締役に相談したようだ。木下取締役は本社の上がなんとかする。こっちは長田と峰山が逃げないように見張っていてくれ。それと、北村さんも目を付けられてる。彼女はできるだけ俺が守るが、斉藤さんも見ていてくれ。実は斉藤さんが北村さんと情報交換しているようなんだ」