社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「最初から、関根君を味方にしておけば早かったのに。賢人は馬鹿だな」
「……おいおい、文也君。鈴村さんにその口はまずいよ。首になるぞ」
関根さんが、文也をたしなめたが笑っている。
「関根課長。文也は社長の懐刀です。俺なんか一刀両断されてしまいます」
「へー?文也君、そんな格好してとても偉い人だったのか。これは俺も話し方変えないとダメだな」
関根課長が苦笑いを浮かべている。文也はにやりと笑った。
「関根君は本社でも有名な敏腕課長。財団は君がいてこそ回ると言われている。今回のことも話してないのに気付くとか本当すごいね」
「いや、俺じゃなくて俺のアシスタントが気付いたんだよ」