社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 俺は関根課長へ言った。

「アシスタントを教育してそういう人材にしたのも君だろ。もちろん、斉藤さんもたいしたもんだと俺も思うけどね」

 文也が俺を見て言った。

「賢人とこの間喧嘩していた美人のお姉さんはどうしたんだよ?」

「……」

 俺が黙っているのを見て、関根課長が言う。

「北村さんのこと?彼女は畑中専務秘書なんだよ。彼女も切れるよ。そうか、彼女をここに連れてきたんだね?すっかりメンバーとして認めているんじゃないですか、鈴村さん」

「……いや。あのときはちょっとまあ」

「めーずらしい。賢人がそんな風になるのは初めて見た。関根課長、賢人を助けてやって下さい」
< 127 / 385 >

この作品をシェア

pagetop