社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「関根課長」
「大変です。斉藤から連絡があったんですけど、畑中専務とあいつらふたりが斉藤と北村さんをホテルのバーへ連れて行って飲ませているらしいです。溶解室のことがばれたらしい。中身を確認したようなんです」
「……それで?とにかく一緒に行こう」
タクシーを停めると一緒に乗った。俺は陽樹に連絡した。会計部長にはビルの警備員をよこすように言った。
「斉藤さんはどうして君に連絡してきたんだ?」
「彼女は割と酒が強い。おそらく、北村さんが危ないと思ったのかもしれない。あまり酒に強くないんだろう」
「俺は、北村さんが今いる場所を特定してそこへ行くところだったんだ」
「そうだったんですね。おそらく、斉藤が何か感づいているとばれたんだろう。探っていたのに気付かれた可能性もある。どうしますか?」