社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「一気に決めた方がいいだろう。本社へ連絡した。会計部長には警備員をよこしてくれるように頼んだ」

 ホテルが近くて助かった。ふたりでタクシーを降りると急いでエレベーターホールへ。俺は里沙の位置情報を確認した。移動してる?

 バーへ入ると、五人はいなかった。店員に聞いたら、女性ふたりが若い男性ふたりに腕を取られて喧嘩しながら歩いて行ったと証言した。

 位置情報を見た限りバーよりも上の宿泊層にいる。まずい。俺は急いでそのことを関根に言うと、彼女を追った。

 位置情報を見ながら移動した。部屋の場所がわかったので、ベルを鳴らす。

「なんだ?」

 男の声がする。横で関根さんがうなずいた。ふたりのうちのどちらかだということだろう。
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