社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 警備員が追いついたんだろう、廊下で大きな声がしている。俺はドアを開け、ひとりの警備員を呼んだ。峰山は警備員が取り押さえた。

 俺は斉藤と里沙に近寄り、様子を見た。

「おい、何を飲ませた?」

「酔って寝てるだけだよ」

「そう言っていられるのも今だけだ。横領だけでなく、婦女暴行、監禁罪もついたな」

「……!」

「畑中専務はどうした?」

「知るか。もう帰っただろ」

「これは専務も知っているんだな。専務の指示か?」

「専務秘書が専務に逆らっていたからだろ。斉藤と同期だったとはな……」
< 140 / 385 >

この作品をシェア

pagetop