社内捜査は秘密と恋の二人三脚
警備員が追いついたんだろう、廊下で大きな声がしている。俺はドアを開け、ひとりの警備員を呼んだ。峰山は警備員が取り押さえた。
俺は斉藤と里沙に近寄り、様子を見た。
「おい、何を飲ませた?」
「酔って寝てるだけだよ」
「そう言っていられるのも今だけだ。横領だけでなく、婦女暴行、監禁罪もついたな」
「……!」
「畑中専務はどうした?」
「知るか。もう帰っただろ」
「これは専務も知っているんだな。専務の指示か?」
「専務秘書が専務に逆らっていたからだろ。斉藤と同期だったとはな……」