社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「あ、私……どうして、ここどこ?」
「気分はどうだ?気持ち悪くないか?」
「鈴木さん、来てくれたのね。私……。あ、斉藤さんは?」
「彼女も無事だ。君と一緒で気を失っているだけだ」
「あのふたりはどうしたの?私達を助けてくれたのはあなた?」
「ああ、落ち着け。あいつらは警察に引き渡した。ギリギリだったが間に合ってよかった。危なかったな。守ってやれなくてすまなかった」
「専務が箱の中身を確認したらしくて、退勤間近になって食事に行こうと連れ出されたの。怖かった、すごい目だったの。断れなくて……そしたら、ホテルのバーであのふたりと斉藤さんを専務が呼んだの。何を知ってるって聞かれた。あなたのことや関根課長、会計部長のことを聞かれた。ごまかしていたら、エレベーターホールでスプレーを浴びてそのまま……」