社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「……里沙。もう大丈夫だ。あいつらは自ら掘った穴に落ちた。ただ、追い詰め方を間違えた。お前達をこんな風にされるとは、あいつらは絶対許さないから安心しろ」
里沙はベッドから身体を起こそうとしたので、支えてやった。すると俺の腕をつかんでじっと見てきた。
「どうなったのか教えて。全部」
「ああ、あとでな」
彼女を安心させるように背中を撫でると、看護師を呼んだ。医師も来て、診察を終えると今日までは念のため病院へ泊まって行って下さいと言われた。
「里沙。お前、ひとり暮らしか?」
「そうよ」
「それならよかった。親御さんと一緒に暮らしていたら心配させただろう」