社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 ビクビクッとして彼の腕をぎゅっとつかんだ私を見て、彼は覆い被さる。

「……里沙……」

「……あ、ん」

 お互い一線を引いていたのに、ひとつになった瞬間、彼は本来の姿を見せた。獰猛な獣のようだった。

 そんな彼を待ち望んでいたのは、他ならぬ自分だったかもしれなかった。

 離れたくないという気持ちが行為に繋がり、朝になるまで何度も抱かれた。

 お互いいつのまにか寝てしまい、目を覚ましたときには彼が横で眠っていた。

 メタルフレームの眼鏡を外した素顔の彼がそこにはいた。とてもイケメンだった。身体も筋肉質でオタクには見えない。ふとおかしくなって笑った。
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