社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「ふふふ……」
 
「どうした?」

 私の声で目が覚めてしまったのだろう。

「おはよう……あなたの素顔や体つきは最初の設定と大分離れていたのね。おかしくなってしまって……こんな、ハイスペックイケメンエリートだったなんて」

「里沙は最初から俺がどこか違うと気づいていたろ?俺も君はただの可愛いだけの秘書じゃないってわかっていた。いつかこうなるという予感もあった」

「……でも、深入りさせないように、自分もしないようにしていたわよね」

「そうだな。偽装潜入の心得だ。でも、里沙の魅力に抗えなくてすぐにキスしてしまった」

「それを言うなら、私だってそうよ。普段の偽装スタイルと調査中のギャップにやられてしまったわ」
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