社内捜査は秘密と恋の二人三脚
第三章 愛と迷い

彼の縁談

 月曜日から全体を集めた話が講堂であった。

 この会社にはコンサートなどが出来る講堂があるのだ。文化とは美術だけでなく、音楽やスポーツなど多岐に渡る。ただ、この会社が有名なのはまだ美術分野が主だった。

 今回のことは大きな痛手となるだろう。会長から今後の方針などについて大まかな話があったが、どうなるかは正直まだわからないとのことだった。

 部署へ戻り、部長からまた話があった。担当役員はしばらくの間人事の役員が兼任となる。

 実質は部長に権限があるようで、何かあれば相談するように話があった。私はその後残されて別室へ入り、部長とはなしをした。

「大変だったね。未然に防げなくて申し訳なかった。それと、鈴村君のことだが、解決に向けて君に大分力を借りたと言っていた。本当にありがとう。詳しく事前に話してなくて悪かったね」
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