社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「……了解です」

「鈴村君のことは聞いた?」

「本社の企画室というところの人だとは言われましたが……」

「……そう。彼はね、氷室の家に入るかもしれない。そのくらいの逸材だ。今の本社社長が目をかけているんだよ。その意味はそのうちわかる。あまり、深入りしないことだ」

 部長が私をじっと見ながら言う。牽制されているとわかった。

「……わかりました」

「君のために言っている。二人を見てきた僕からの忠告だ」

 そう言うと、席を立って出て言った。
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