社内捜査は秘密と恋の二人三脚
それはどうだろう?陽樹が社長になったら、余計に俺はここから出られなくなるんじゃないだろうか?
判断を迫られる事項が多くなるに決まっている。
ノックの音がした。秘書で彼の妻である京子さんが入ってきた。長い黒髪がトレードマークのクールビューティーだ。
陽樹は彼女を秘書として気に入ったらすぐに手を出してものにした。
「そろそろ、時間です。よろしいですか?」
「ああ、そうだったな。賢人じゃあ、後でまた……」
「はい」
陽樹は書類を彼女から受け取ると会議へ出て行った。残された京子さんは俺を見て言った。