社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「あれれー。何かしたんならお前に電話なんかしないで、今頃美味しく頂いているよ。しかしさあ、この子可愛いね、見た目だけじゃなくて、中身も賢くて可愛い。俺、気に入った。本当なら俺のものにしたいところだけど、最初に味方するって言っちゃったからな」

「すぐに行く。何もするなよ」

「へいへい。賢人、確認するけど本気なんだよね?」

「ああ」

 俺はひとこと言うと電話を切った。文也は察しがいいから全部わかったんだろう。嘘は通じない相手だ。

 最初あそこに彼女を連れて行ったのは俺だ。自業自得。

 通りを横切り、タクシーを呼ぶと乗り込んで店の名前を言う。降りると走って階段を上った。
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