社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「ふひひ……お前がそんなに熱くなってんの初めて見たよ。これはいいものを見た。いいか、お前を呼んでやったのは貸しだぞ。しかもこの席に座らせて彼女を守ってやったんだ。そうだ、彼女この店の実体をすぐに言い当てたぞ。たいしたもんだ。お前見る眼だけはあるな。あのときすぐに彼女連れてきただろ?」
「……とにかく助かったよ。だけど、里沙は絶対に誰にも渡さない」
下から睨み付けると、笑っている。
「まあ、とりあえずお手並み拝見といこうかね。お前の手札がうまくいかない場合は俺がいただきまーす。いい子で待ってやるよ」
「……文也、お前。彼女に言いつけるぞ」
「どうぞご自由に。こんな店やってるんだ、彼女は多少の事じゃ動じないように教育済みだよ。お前と違ってね」