社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 彼は箸を取って食べ出した。

「……厚揚げの煮物、うまい。甘すぎなくていい。この野菜のピクルスもうまい。ビールに最高だ」

「そう?あなたの口に合ったなら良かったわ」

 私は自分のお茶漬けを作りながら、一応彼の分も作った。

「はい、良かったらどうぞ」

 私のお茶漬けはいつも残り物。今日は昨日の焼き魚の残りと香味野菜を刻んだもの、梅干し、鰹節、など。彼にも同じものにしてしまったけど……。

「おー、お茶漬け。うまそうだな。店やれるんじゃないか、里沙。やばい、俺お前の料理に堕ちそうだ」
< 220 / 385 >

この作品をシェア

pagetop