社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「あなたは、次期社長の右腕だって聞いている。今の社長にも可愛がられているって聞いているし、今までだってきちんと断らなかったのは少しその気があったからでしょ?」

「その気は全くない。俺がいずれこの会社を出たいと思っていることを知っていて、そのことを知る社長が俺を縛り付けるために考え出した方策がこの縁談だ」

「……この会社を出たい?次期社長の右腕なのに?好待遇なんじゃないの?」

「好待遇とは給料のことか?確かに給料はいいだろうし、やりがいもあると言えばある。だが……」

「なに?」
< 223 / 385 >

この作品をシェア

pagetop