社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「辞めなくても俺の裁量で出来るところに入れてくれればそれでもいいが……今の仕事を生かして独立するかもしれない」

「なるほど……」

「ああ。だが、おそらく許してもらえない。だから、縁談だったんだ。陽樹もわかっていて縁談に乗っていた。だが、このままこの縁談を無理矢理勧められるなら仕事を辞めたいと伝えたんだ。陽樹の態度が変わった。社長に掛け合ってくれるそうだ」

 私は箸をおいて、彼に言った。

「つまり、専務はあなたを逃したくないから最初は妹との縁談に賛成し、今度はあなたに脅迫されて縁談をなくすために努力してる。可哀想。ねえ、今の仕事だって面白いんじゃないの?それに専務が社長になってからのほうがより面白くなるんじゃないの?」
< 225 / 385 >

この作品をシェア

pagetop