社内捜査は秘密と恋の二人三脚
フロアへ戻ると神部君がひっくり返っていた。
「ったく、何なんだよ!俺の異動はどうなるんだ?」
「異動は決定でしょ。本社へ行っても営業になるんじゃない?私達は本社の会計部に全員入れるわけないから、きっと異動になるわね」
「やだ、先輩。怖いこと言わないで……」
佐倉さんが腕にしがみついた。
「ほら、ダメじゃないの。チーフのあなたがそんなんじゃ、後輩ちゃん達がびくついてるわよ。安心させるのがあなたの役目でしょ」
「そんなの無理です」