社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「その通り。今回のことも僕が連絡して調査に入った。だが、もう少し早く報告すべきだったな。こんなことになってしまって責任を感じているよ」

「そんな……まさか、畑中専務が関わっているとは思っていませんでしたよね?」

「いや。わざとスルーしていた書類に専務が判を押した段階でクロだと思ったね。だから、鈴村君に入ってもらったんだ。ただ、結構前からだったんだよ。遅すぎた。君も彼の担当だったし、ショックだったろう。悪かったね」

 頭を下げてくれた。

「やめて下さい、部長は悪くありません。あの。お聞きしたいことがあります。ここにいる人達は営業事務やそのほかの部署に行く可能性もあるということですか?」
< 237 / 385 >

この作品をシェア

pagetop