社内捜査は秘密と恋の二人三脚

新たな役職~賢人side~

 社長室へ呼ばれて入るとソファーへ瞳さんが座っている。

 社長は俺が入ってきたのを見て、彼女の横に腰掛けた。俺は目の前に座った。

「お久しぶりです。賢人さん」

「本当に。元気そうだね」

「ええ。ようやくお父様が諦めてくれて元気が出てきたわ」

 俺は笑ってしまった。そうか、縁談がなくなるんだな。お互いやっと自由になれる。

「こら、瞳。賢人君、本当に残念だが瞳との話はなかったことにするよ」

 社長が俺を見て言った。
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