社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「もういいか?」

 こくんと涙目でうなずく。可愛い。彼女の甘い声で頭が支配された。

「里沙……今日はすごい……悪いが……加減……できないぞ」

「だめなの……ああ」

 彼女のあえぎ声がしなくなり、抱きしめたまま横になる。外が明るい。自分でも驚いた。抱いたまま彼女が寝てしまった。こんなことは初めてだった。

 腕の中で身じろぎする彼女に気づいた。

「ん?里沙起きたのか」

 俺を下からちろりと見ている。
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